Apple Store の CRM 戦略

Intel Mac mini を購入した時のことです。Apple Store セールスコンサルタント(以下、S 嬢)の方から電話連絡がありました。一瞬、「不具合で出荷延期か?」と嫌な予感が頭をよぎりましたが、意外にも、.mac 割引キャンペーンのことでした。


どういうことかと聞いてみると、「お客様のご注文は確定しておりますが、こちらでこのご注文を取り消し、再度キャンペーンと合わせた形でお申し込みをすることが可能です」とのこと。疑り深い嫌な客を相手に、複雑な状況を一生懸命説明してくれました。僕はただ Intel Mac mini が欲しかっただけなので、そんなキャンペーンの存在に気付くことなく猪突猛進で buy now していたのですが、今ならまだ間に合いますよ、ということを知らせてくれたのです。


まず最初に思ったのが「なぜわざわざそんな面倒なフォローをするんだろう」ということです。間抜けな客のことは放っておけば良いのに。次に、Apple Store を騙った詐欺を疑いました。ですが、手間がかかるわりに明確な見返りもないのでこれも有り得ません。キャンペーンの内容が .mac の更新時でも使えることを確認した僕は、喜んで S 嬢に手続きをお願いしました。


そして今日また、S 嬢からメールが届いてました。タイトルは「Apple Store より新製品のご案内」。つまり、MacBook の発売案内です。メールの結びには「諏訪様からのお電話を、心よりお待ち申し上げます」という一文が置いてあります。


Apple StoreCRM が動いているのはまず間違いないと思うのですが、この動きは、株や先物といった金融商品の電話勧誘が急に増えたことともリンクしているような気がします。もちろん、電話勧誘の厚かましさ・しつこさに比べたら、Apple Store のやり方は遥かに洗練されていますが、その裏に隠れているのは、可処分所得がだぶついてるあたりに狙いをつけるような、あけすけなシステムのようにも思えて、なんとも気分が濁りました。


ふむ。下衆の勘繰りはやめて、もう寝ます。